幼年期の終り

只今、自分の中でSFブーム。
超名作であることは知っていたが、この年になって初めて読んだ。

幼年期の終り (ハヤカワ文庫 SF (341))

幼年期の終り (ハヤカワ文庫 SF (341))

こりゃ確かに名作だ。
人間にとって、人間より高度な知性を描くことは、当然ながら困難であるはずだ。
下手に詳細に描こうものなら、たちまちその知性の底が知れてしまうことになり、単なるスーパーマン的な力を備えた超人の物語になってしまうだろう。
この点、アーサー.C.クラークは、全く底をうかがい知ることができない知性を描ききっている。
しかも、「なんか訳わからん知性があって、訳わからんことがいっぱい起きた」ということに終始しておらず、かなり筋の通った物語になっているところがすごい。
そのような知性として登場するオーバーロードだが、読んでいくうちに何となく底が知れてくるように思えてくる。
と思って読んでいくと…そういうことだったんだなぁ。
そのへんの機微まで計算して書いているんだろうから、クラークってすごいなあ。
この終末には、ほんとお腹いっぱいになりましたよ。
こんなん読んじゃったら、次はどのSFを読めばいいんだ。