宇宙戦争

久しぶりにSFでも読んでみようと思い、H.G.ウェルズの「宇宙戦争」を読んでみた。

宇宙戦争 (ハヤカワ文庫SF)

宇宙戦争 (ハヤカワ文庫SF)

本書では堂々と「火星人襲来」ということになっている。
今では火星に知的生命体がいるなんて誰も考えなくなっているが、この時代にはそれなりに説得力のあるSFとして通用したんだろう。
スピルバーグの映画では、火星人とは言ってなかったし。
そもそも、光速の範囲内で数年以内にたどり着けるような距離の天体に知的生命体がいないらしいという最近の常識からして、宇宙人が地球に襲来ということ自体が説得力を失っている。
その点、本書では天体望遠鏡で火星から何らかの光が打ちあがるのが観察され、その数日後に地球に火星人がやってきたということになっており、妙なリアリティがある。
結論として、文学作品として、かなり楽しめた。
 
ただ、この本、「火星人」とか「巨大戦闘マシーン」とかいう単語がいっぱい書かれているので、満員電車で読んでると少々恥ずかしいんだよなぁ。
なんか、自分がバックトゥザフューチャーのジョージ・マクフライになった気がしてくる。