サマータイムマシーン・ブルース

帰りのフィンランド航空の機内で見た。
そういえば書いてなかったので、書いておこう。

最初のほうは、バカに明るい今時っぽい若者が、今時っぽいノリでドタバタ劇を繰り返しながら、ひたすら突拍子も無く理解不可能な出来事が起こる。
「なんじゃこりゃ」と思った。
正直、感性だけで内容の乏しい映画なのではないかと思った。
 
ところがどっこい、見てるうちに、「突拍子も無く理解不可能」だった部分が、実は突拍子が無い訳ではないことが、少ーしずつ、明らかになってくる。
で、明らかになり、明らかになっていくうちに、とんでもなくややこしくなってきて、嫌でも考えざるを得なくなってくる。
最後には、全ての出来事が、つじつまが合ってしまうのだ。
まさに、「ほほう!スッキリ!」という状態。
いや、正直に言うと、本当に全ての出来事が矛盾なく繋がったのか、理解できたのかどうか自信がないのだが。
気がつくと、90分があっという間に過ぎていた。
 
タイムパラドックスと言えば、「バックトゥザフューチャー」だろう。
しかし、1985年のマーティが1955年に行って、過去をちょっと変えて戻ってきたら、1985年の家族の状態が変わっていた、という話を見て、面白いけど何か納得できないという人も結構多いのではないだろうか。
最初の1985年のマーティが、過去を変えたほうの1985年に戻ってきたら、戻ってきたほうの1985年ではマーティの家族は既に素晴らしい家族になっているはずで、でもその「新しいほうの1985年」のマーティもタイムマシンに乗って1955年に戻るはずだから、その場合どうなるんだ、とか。
そんな人は、この映画を見てみることをお勧めする。
この映画も納得できないかもしれないけど、少なくとも「バックトゥザフューチャー」よりは、こういった問題をちゃんと考えているように思える。
所詮人間には歴史は変えられない。
タイムマシンができたって、それすら歴史の一部なんだ。
結構、深いぞ、この映画。
 
それにしても、このテーマでこのノリの軽さが、何とも気持ち良い映画だった。