最近読んだ本

すっかりブログの更新が滞ってしまっている。
おかげさまで、スパムトラックバックの嵐が吹き荒れている。
 
忘れないうちに、最近読んだ本で印象に残ったものをメモっておく。
これを見れば判るように、今更ながらGTDを生活に取り入れ始めたのである。
 

Getting Things Done: The Art of Stress-Free Productivity

Getting Things Done: The Art of Stress-Free Productivity

何はともあれ、GTDの原著を読んだ。
日本語訳の本は、パラパラとめくってみたが、評判どおり訳が読みづらそうだったのでパスし、いきなり原著を読むことにした。
日本語のネットや本でGTDを判りやすく紹介してくださっている方々のおかげで、GTDがどのようなものであるか知り、実践することができる。
しかし、やはり、原著を読むと、それだけでは知りえないニュアンスが汲み取れたように思えた。
 
ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則

ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則

こちらは日本語で。
GTDを開発した David Allen が、「GTDを実践すればよりよい人生を手に入れることができることは長年のコンサル経験から確かだが、なぜGTDのようにすればそうなるのか?」を考察し、書き綴った本。
なるほどなるほど。
 
これ以降はGTDと関係ない。
 
Are Your Lights On?: How to Figure Out What the Problem Really Is

Are Your Lights On?: How to Figure Out What the Problem Really Is

ワインバーグの超有名な本。
日本語タイトルは、「ライト、ついてますか?」
随分以前に洋書を買っていたのだが、読んでなかったので読んだ。
amazonの読者コメントを見ると、「非常に面白かった」と「バカバカしい」の両極端にわかれているようだが、
僕の感想は「非常に面白かった」である。
何かに行き詰まったら、各Partのタイトルを唱えてみるだけで、非常に効果的であると思われる。
"What is the problem?"
"What is the problem really?"
"Whose problem is it?"
"Where does it come from?"
"Do we really want to solve it?"
実際、最初の段階でこれらの問いを考えなかったばかりに、この本に書いてあるような「バカバカしい」結果に陥ってしまうことが多々あることは、自分のこれまでを振り返れば痛感する。
 
生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

少し前に話題になった本だが、ようやく読んだ。
多くの著名人が絶賛の「極上の科学ミステリー」。
確かに、ただでさえ面白い科学の話を巧みな文章力で綴ることで、この上なく極上な科学ミステリーとなっていることは間違いないと思った。
その点では、ワールドロップの「複雑系」を彷彿とさせる。
しかし、ひととおりTHE CELLを読んで分子生物学の世界に首を突っ込んだことのある人間なら、まあだいたい知っている話が大半で、正直に言えば、「もったいぶらずに早く先に進め」と思ってしまう場面が多々あった。
それでも、この本で最も重要なキーワードである「動的平衡」の考え方と、その説明は、非常に面白かった。
僕の理解するところでは、「動的平衡」とは、次のような考え方である。
生命の本質は自己複製能力であるとよく言われるところであり、自己複製能力は確かに生命にとって重要なポイントではあるが、本当の本質とは、「生命とはジグソーパズルのようなものであり、各ピースのエントロピーが増大してしまうより前に積極的にピースを破壊し、周辺のピースの形を鋳型として新たなピースを再生し続けることで、エントロピーの増大を抑制し続ける存在である」ということ。
この直観には数学的な裏づけなど全くない(世界の誰かは考えているのかもしれないが)が、「生命とは何か?」の答えとしては、かなり正解に近いのかもしれないな、と思わせられた。