オープンアクセス。


ヴァケイションで遊び呆けてる間に、とある出版社から、先日の台湾の国際会議での発表内容が素晴らしいので、新たに出版予定の本のchapter の1つを書いてみないか、というメールが来ていました。
しかも、異なる2つの出版社から立て続けに!
うっひょーー!


…と、一瞬舞い上がりましたが、さすがの僕も、「2つの出版社から立て続けに」というシチュエーションには、クサいものを感じずにはいられません でした。
よくよく調べても、どちらの出版社もあまり知名度は高くなく、editorの人の名前も、業界で著名なのかどうかよくわかりません。
労力をかけて投稿して、これらの本が出版されても、果たして誰かにちゃんと読まれるのだろうか、という疑問がフツフツとわいてきました。


で、どちらの出版社も、「オープンアクセス」専門の出版社。
オープンアクセスとは、科学の発展のために、論文などを無料でWebで公開しましょう、という、最近の潮流です。
多くの場合、論文を読む人ではなくて書く人がお金を負担するシステムになっており、今回メールが来た出版社でもそういうシステムでした。
果たして、労力をかけて、さらにお金をかけてまで本にする価値はあるのだろうか、と思ってしまうわけです。


ちゃんとISBNつきの本にはなるようなので、業績に書けなくはないでしょうけどね。


まあ、既に他のジャーナルに投稿済みだからそう思うだけで、そうでなければ、それでもお金と労力を払って本として残すことに価値を見出すことはあるかもしれません。


そんなわけで、今回はこの依頼は見送ることにしました。
って書いてたら、たった今、教授から「うん、見送ろう :-)」メールが来ました。


まー、あの台湾の論文が、ちゃんと世に出て人目に読まれていることが確認できただけでも、良かったことにしましょう。