ザ・ゲーム

先週パニックルームを見て、またデビットフィンチャー監督の「ザ・ゲーム」を見たくなったので見た。

ゲーム [DVD]

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かなり好きな映画で、見るのはもう何度目かだ。
しかし、この映画を酷評する人は多く、せいぜいまあまあ面白かったという程度で、めちゃめちゃ面白かったと言った人は僕にこの映画を見るように勧めてくれた知り合いだけなのだ。
今日はヨメさんに無理やり一緒に見せたのだが、反応は「まあまあ面白い」というものだった。
うーん。。。
そういう反応だったので、この映画のどこがそんなに面白いのかをヨメさんに力説した。
(以下、ややネタバレ。これから見ようと思う人は読まないほうがいいかも)
この映画は、自分の敵だと思われる人間と味方だと思われる人間がいて、それが映画の進行とともにどんどん入れ替わっていくというどんでん返しの連続が面白いのだと。
自分の予想が次々と裏切られていくところが面白いのだと。
エンディングのどんでん返しが気持ちよく自分の予想を裏切ってくれて面白いのだと。
このようなことを力説し、それでもヨメさんが同意しかねる状況を見ているうちに、だんだん自分が本当に面白いと感じているのは別のことだと気付いてきた。
そもそも、どんでん返しが面白いというが、僕は何度見ても、筋はわかっているはずなのに、ニヤニヤ笑いながら見ている。
そうだ、僕は「ニヤニヤ笑いながら」見ているんだ!
つまり、たかがゲームなのに、ここまで凝って凝りまくってしまうというバカバカしさを、徹底的に大真面目に映画にしてしまったという、デビッドフィンチャーの一級のブラックジョークに対して、僕はニヤニヤしているんだと。
やれテレビのキャスターが話し出すだとか、クルマで海に落ちたらポケットに入ってたハンドルでクルマの窓を開けて脱出できたとか、そういうジョークのセンスや、それでも絶対にコメディータッチにならずシリアスなタッチで描ききるというセンスがたまらなく好きなのだと。
僕はデビットフィンチャーと気が合うのかもしれない。
実際に会ったらあっという間に友達になってしまうのかもしれない。
「パニックルーム」も、僕は他人より余分に楽しんだのかもしれない。
ああ、「ザ・ゲーム」がとても面白いという意見に賛成する人、いないかなあ。