抱っこ

僕自身、本やネットの育児相談を読んで、
「赤ちゃんが抱っこを求めて泣き、その要求に応えて抱っこしてあげるのはとても自然なこと。
抱っこの要求にはどんどん応えてあげましょう。」
という考えが今や常識となっていることを知っている。
それは正しいと思うし、抱っこの要求を「抱き癖」だなんて貧乏ゆすりみたいな癖と同じに考えるのは間違っていると思う。
お腹がすいたら泣く赤ちゃんを、「食べ癖」なんて言うのがバカバカしいのと同じように。
 
でも、最近、ちょっと反省。
どうも僕の中で、いつの間にか「抱っこで泣き止むなら抱っこすべし」という安直な考えになってしまっていたようだ。
それは、「ミルクを飲ませて泣き止むなら飲ませるべし」「オムツを替えれば泣き止むなら替えるべし」というのとだいたい同じ。
しかしそれは、あまりに対症療法的な考えであった。
 
そう反省したのは、次の一件から。
最近、6ヶ月の娘が、寝かしつけてもすぐに起きて大泣きする日々が続く。
抱っこすれば泣き止むので、ともかく抱っこしてやるべし、と僕は思っていた。
しかし、今日(つい先ほど)なんて、確かに抱っこすれば泣き止んだが、抱っこしてゆすっても全然眠ろうとしない。
母親(myヨメ)曰く、これは抱っこしてほしくて泣いているのではなく、「夜泣き」なのだということ。
抱っこすれば確かに泣き止むが、それは「おやすみモード」から解除されて「夜泣き」がおさまっただけなのだ、と。
だから、ヨメは、このように娘が大泣きしても、すぐには抱っこせず、横で手を握ってなだめている。
すると、泣き声はやがて「あーうー」という寝言のようなものに変わり、そのうちぐっすり眠ってしまう。
(今日はあまりに泣き止まないので抱っこしたのだが、それは今日は外出してたくさん遊んだので興奮していたのが原因だろう)
 
本来的には、「抱っこしてほしくて泣いているのなら抱っこすべし」ということのはず。
そのために必要な「何故泣いているのか?」を真剣に考えるプロセスを軽視して、
「抱っこで泣き止むなら抱っこすべし」という短絡的な考えに陥っていた自分を少し反省した。
そして、そのあたりの娘の心の機微を、わがヨメはちゃんと理解して子育てしているのだなぁと、
少し感心したのであった。